2020年1月に読んだ本

 

うしろめたさの人類学

うしろめたさの人類学

  • 作者:松村圭一郎
  • 出版社/メーカー: ミシマ社
  • 発売日: 2017/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

個人的な感情や関係性が、市場・社会・国家といった大きなものとつながっていることをしめし、世界の公平に向けて私たちに何ができるのかを、ゆっくり優しく語られていく。

 

 たぶん、世界を根底から変えることはできない。まったくあたらしい手段をみつけて、すべてをつくりかえることはできない。おそらくそれはよりよい方向に近づく道でもない。

 ぼくらにできるのは「あたりまえ」の世界を成り立たせいている境界線をずらし、いまある手段のあらたな組み合わせを試し、隠れたつながりに光をあてること(p182)

 

今私の目の前にふっと現れた「あたりまえ」をずらしてゆく他者に対し、「うしろめたさ」を感じることから始まる「贈与」という実践的倫理の機会に開かれてありたい、そう思わされる。

 

 

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)